「ワンデイ」DVD鑑賞の感想
「ワンデイ」DVDを観ました。何回観てもアホみたいに泣くのがわかっているので
一人の時にゆっくり観ようと思ってたんだよね。
改めて優しい映画ですよね。。まずガンスが優しい。
病院のベッドで横たわるミソに亡くなった妻のソンファの姿を知らず知らずのうちに
重ねていたのかもしれないけど、ミソとの交流が始まる前から優しい。
酔ったままミソの病室に石を返しに来て、ミソに語りかけているガンス。
最初に映画館で観た時、相手が聞いている聞いていないに関わらず
語りかける優しさとその優しい口調にうるっときました。
ミソが自ら命を絶ったのでは?と思っていたガンスは
「怖くなかった?」などと言っていますが、 後から妻のソンファの自死のことと
重ねていたんだとわかりますね。
ミソと出会ってからはイヤダイヤダと言いながらミソの
いう通りにしてあげるし、みえるようになったけど触れられなくなった
ミソを可哀想に思って水族館に連れて行ってあげたり
市場に行ったり。優しいガンス。そういう人だから保険会社の
営利追求、人道無視なやり方に嫌気がさしていく。
上司も、奥さんの治療費で相当金使ったんだろうから働かにゃ
みたいな無神経な事を平気で言うし。
後半、もう会社のことは見切っていましたね。
この映画は分類としてはやはりファンタジーかな。
幽体離脱のようになっているミソとガンスの交流も
最後のガンスの選択もファンタジー。
現実には、この行為は犯罪だし。。。
尊厳死の問題というのも難しい。身内に回復の
確率が極めて低いレベルの植物状態の人が
いるような方はこの映画を観たら苦しいと思います。
「何も意思表示できず横たわっているけれど
本当は、もう逝かせて欲しいと思っているのか」と考えたら。。。
お母さんが精神的にも経済的に苦しんで回復の見込みがない自分に
縛られているのを見るのが辛かったミソ。
同じような境遇だけど対比的に出てくるのが保険詐欺みたいな事をしている父親。
貧しくてもなんでも頑張る意味があるんだという存在として出てきたと思いました。
ガンスもエールを送っていました。
ミソのケースはそれとは違って、お母さんが頑張ってもどうしようもないという事なんでしょうか。
その上でのミソの選択が、安易なものではなくこれしか
なかったんだと思えてきます。
でも、この映画は尊厳死の問題を扱っている映画じゃなくて
ミソの気持ちを尊重した時に妻のソンファの
選択をやっと受け入れることができたっていうテーマだと思います。
クライマックスシーンの海辺でのミソの言葉。「最初より最後の方が記憶に残るでしょ。
私を忘れないでいてくれる?」「いい思い出として残りたい」
今まで泣くことすらできなかったガンスの号泣。。。
ここでやっと妻の死を理解し受け入れることができたんですね。
帰宅して、ずっと入れなかった妻の部屋に入るガンス。
窓際に立ち、何気無い日常の幸せ、いい思い出を次々と走馬灯のように思い出す
シーンがこの映画で一番好きです。この時のガンスがとても良い表情です。
微笑にも色々な種類があると思いますが、ナムギルさんの演技が素晴らしい。
本当にガンスの心情を現す微笑です。
音楽も良い!冒頭から音楽がいいです。
ナムギルさんのルックスもいいです笑今はちょっと細すぎと思うけど
このぐらいがちょうどいいです。
何も考えずとも、このルックスだけでも楽しめるぐらい。
子供の凧づくり凧揚げ、この辺りの表情や雰囲気、ナムギルさんの
素敵さが出てるなぁ~。
子供と動物といるときのナムギルさんの表情、最高だよね。
なんだろ、、、優しさが滲み出ちゃうのかしら。



予告編等の画像からお借りしました。